触感 × 皮膚 × 文学
「触れること」をめぐる冒険
仲谷正史+傳田光洋+阿部公彦
文学にも「感触」を感じる? 皮膚感覚がパーソナリティと結びつく? 文学の触覚から、触覚の文学へ。『触楽入門』の刊行を記念して開催したトークイベント(2016年3月15日、青山ブックセンター本店)をもとに、『早稲田文学』2016年夏号に掲載された鼎談を、同誌のご厚意で公開いたします。(編集部)
仲谷 『触楽入門』の著者の仲谷と申します。僕は触覚の神経科学の研究をしていまして、触ることに新しい価値を与えられないか、触る文化みたいなものが作れないかと考えて、二〇〇七年に「テクタイル」という活動を立ち上げました。新しい触覚の技術をみなさんにお見せする展示会や、触ることに親しむワークショップを行っています。
僕が資生堂に勤めていたとき、だいたい二年強、
阿部公彦さんとはじめてお会いしたのは、阿部公彦さんがメンバーとなっている「飯田橋文学会」のイベントで、谷川俊太郎さんがゲストでいらっしゃったときでした。そのあと、
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