8.22.2019

更新情報

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★「南国科学通信」の連載は終了しました。改題・加筆のうえ、2020年1月に小社より本として刊行する予定です。どうぞよろしくお願いいたします。――編集部
第15回 トロッコ問題の射程 | 「南国科学通信」第1回


★2018年6月16日 人類の夜明けをめぐる本棚会議 本棚会議vol.2『先史学者プラトン』刊行記念 前編 後編 
本棚案内 山本貴光+吉川浩満 井手ゆみこ(ジュンク堂書店人文書担当)


2017年11月22日 仲谷正史+傳田光洋+阿部公彦「触感 × 皮膚 × 文学 「触れること」をめぐる冒険」を公開しました! 

-----> これまでの連載のもくじはこちらです。

7.26.2019

第15回|トロッコ問題の射程|南国科学通信|

全卓樹
第15回 トロッコ問題の射程


吉良貴之きらたかゆき氏が語り始めた。

「トロッコ問題」について聞き及んだ人はどれくらいいるだろうか

新装なった高知市図書館「オーテピア」、最上階プラネタリウム横会場での、寒風にんだ師走しわすひと日の夕刻であった。「高知サイエンスカフェ」の講師は、東京の若き法哲学者である。

炭鉱の採掘現場でブレーキが壊れて暴走するトロッコが、線路の先の5人の鉱夫に向かっている。切り替え路線の向こうでは別な1人が線路上で作業中である。たまたま路線切替機の隣にいたあなたは、そのまま5人がかれ死ぬのを見過ごすか、レバーを引き路線を切替えて、本来無関係な1人の死を引き起こすかの選択を迫られている。あなたはどうするのか?


CC BY-SA 4.0 image created by McGeddon