全国の書店でフェア開催中・加藤陽子さんがセレクトした、今年の夏に読んでほしい本10冊と、メッセージをお届けします。加藤陽子さんの似顔絵は、牧野伊三夫さんによるもの。選書フェアでは、各書籍の紹介付き小冊子も配布しています。末尾に掲載しているフェア開催書店さんで、ぜひお手に取ってみてください。（編集部）
『〈戦後〉が若かった頃』とは、私の愛してやまない仏文学者・海老坂武氏の自伝のタイトルです。
今ふりかえれば、戦後日本の若さを支えていたのは、大戦争の惨禍をくぐった後の省察に立った非戦力であったことに気づかされます。
日本を支えてきた大前提が一つの内閣の短慮で崩された 「今」、わたくしたちは新たな決意のもとに「記憶せよ、抗議せよ、そして生き延びよ」（井上ひさしの言葉）をモットーに、非戦力を再び獲得するための長い闘いを始めなければならないと思います。
桜のように散り際が美事な国民性には別れを告げ、竹のようにしなやかに強く生きていこうではありませんか。
そのような時に、あなたとともにあって、あなたを力づけてくれるはずの本を選びました。
――加藤陽子
平山周吉
『昭和天皇 「よもの海」の謎』（新潮選書）
浜井和史
『海外戦没者の戦後史――遺骨帰還と慰霊』（吉川弘文館）
鈴木琢磨編
『日本国憲法の初心――山本有三の「竹」を読む』（七つ森書館）
ワン・ジョン著、伊藤真訳
『中国の歴史認識はどう作られたのか』（東洋経済新報社）
内海愛子、大沼保昭、田中宏、加藤陽子
『戦後責任――アジアのまなざしに応えて 』（岩波書店）
高見勝利編
『『金森徳次郎著作集 Ⅰ 憲法遺言ほか』、同『金森徳次郎著作集 Ⅱ 日本憲法民主化の焦点ほか』（慈学社出版）
澤地久枝、佐高信
『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』（岩波書店）
上原良司、中島博昭編
『あゝ祖国よ恋人よ きけわだつみのこえ〔新版〕』（信濃毎日新聞社）
井上ひさし
『初日への手紙――「東京裁判三部作」のできるまで』（白水社）
半藤一利、宮崎駿
『腰ぬけ愛国談義』（文春文庫）
全国のフェア開催（予定）書店
【北海道】
くすみ書房 大谷地店
丸善 札幌北一条店
【秋田】
ジュンク堂書店 秋田店
【岩手】
ジュンク堂書店 盛岡店
【茨城】
友朋堂書店 梅園店
くまざわ書店 つくば店
【群馬】
喜久屋書店 太田店
【東京】
リブロ 池袋本店
旭屋書店 池袋店
あおい書店 中野本店
はた書店（中野区）
芳林堂書店 高田馬場店
パルコブックセンター 吉祥寺店
八重洲ブックセンター イトーヨーカドー武蔵境店
BOOKS隆文堂（西国分寺）
オリオン書房 ノルテ店（立川）
書泉グランデ（神保町）
くまざわ書店 昭島店
【神奈川】
リブロ 東戸塚店
有隣堂 厚木店
紀伊國屋書店 横浜店
ブックファーストボーノ 相模大野店
ジュンク書店 堂藤沢店
くまざわ書店 相模大野店
【埼玉】
旭屋書店 志木店
ブックデポ書楽
紀伊國屋書店 さいたま新都心店
くまざわ書店 的場店（川越市）
【千葉】
白樺書房（松戸市）
くまざわ書店 つくば店
【長野】
今井書店（茅野市）
【静岡】
谷島屋 浜松本店
【愛知】
精文館本店
丸善 名古屋栄店
いけだ書店 東海通店
名古屋大学生協 南部書籍店
【富山】
文苑堂 福田本店（高岡市）
【奈良】
ビックウイル 奈良店
【京都】
ブックファースト 京都店〔現在終了〕
【兵庫】
ジュンク堂書店 姫路店
ジュンク堂書店 西宮店
【広島】
啓文社 ポートプラザ店
【山口】
宮脇書店 宇部店
くまざわ書店 下関店
【香川】
宮脇書店本店
【福岡】
ブックセンタークエスト 小倉本店
【熊本】
蔦屋書店 熊本三年坂店
→ ★加藤陽子さんセレクト「この夏に読んでほしい一冊」――死者の彼岸からの視点で、世界を眺め直してみる（2011年）
小社刊行の著者の本
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
